心と体

夜静かにして群動やみ 王維とヘッセ

   今年も猛暑で、お彼岸を過ぎても日中は30℃を超える日が続く。イスラエルとハマス、ウクライナとロシアetc、世界中で紛争が続き暗いニュースばかりで暑さはさらに増す。嬉しいのは,坂口志文氏と北川進氏がノーベル賞を受賞したこと、お2人とも30年位前の研究で、受賞までが長かった。京都ゆかりのお二方、本当におめでとうございます。

Photo_20251010123101  Photo_20251010122902 Gotisou-2    Photo_20251012092002  10月が誕生月の私は、美濃吉新阪急 で家族とお祝いの会をしました。新調したライトグレーの塩沢紬の単衣、帯は焦茶の更紗、ケーキのローソクを吹き消すタイミンを今か今かと待っております。さすが美濃吉、お通しのごま豆腐にまで神経が行き届き、八寸の緑の銀杏ももうれしい。 この年までに何回も大病をし、心折れるような辛い思いも数え切れない位したが、周囲の支えで何とか超えてきた。中国産の松茸とハモの土瓶蒸しは、写真を取り忘れたくらい美味しかった。ハッピーバースデイ!生きていることはそういうことですね。

Photo_20251010125901  Photo_20251010130902Photo_20251010130901 翌日の日曜日は、出町柳の常林寺へ。静かな境内には誰も居ず、薄紫の宮城野萩と白花萩、金木犀も蕾を整えて、ススキまで揺れていた、

 ヘルマン.ヘッセ(1877-1962)の詩は盛唐の詩人王維春夜竹亭贈にそっくり?

ヘルマンヘッセ(富士川秀郎訳)

時折鳥が鳴き   風が小枝を渡り   犬が遠い農家で吠えると   私は黙ってじっと耳をすます   すると私の魂は戻ってゆくのだ   忘れられた千年の昔   鳥や吹く風が   私と似て 私の兄弟であった時まで 

あたりが静まると小さな物音がかえって静寂を際立たせ、心を永遠の彼方へ運ぶ、東洋的心境をヘッセは見事に描いた。

王維(701-761)は当時としては、珍しく大過なく勤め上げた官僚で、詩人であり画家であり音楽家でもあった。

 錢少府歸藍田   銭少府の藍田(らんでん)に帰るに贈る  王維

   夜靜群動息  夜静かにして群動息(や)み
   時聞隔林犬  時に林を隔てて犬声を聞く
   却憶山中時  却って憶う 山中の時
   人家澗西遠  人家 澗西(かんせい)に遠かりしを
   羨君明發去  羨む 君が明発に去り
   采蕨輕軒冕  蕨(わらび)を采(と)って軒冕(けんべん)を軽んずるを

ヘッセの忘れられた千年の昔の心境を、王維はたった十文字で表した。春の夜、すっかり物音が絶えて

時々、向こうの林を超えて犬の鳴き声が聞こえる……銭少府さんは、官を辞しワラビを取って田舎暮するたするために去るとは、羨ましい限り。(あぁ 私はいつそんな境遇になれるだろう、まだまだ宮仕えは続く)

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10月11日のABEMA TIMESに「母乳信仰」「母乳育児の厳しい現実 」が母乳があまり出ない母親を苦しめているに、専門医の水野克己Drが母乳よりも抱きしめれば育つ」と大胆な提言をしておられますね。

私が特に問題と思うのは「3カ月位までの赤ちゃんは、必ず自分で吸いに来る。吸わせようとすると、押し付けられた赤ちゃんは嫌がる。しかし、普通に抱っこしていれば、自分で吸い付いて痛くなく深く吸ってくれる」とのご解説。

残念ですが、今苦しんでおられる産後のママに申します。3カ月も抱っこだけしていても母乳を深く吸うことは無理です。

可能なら1日24時間で4~5回搾乳して、50ml/日の分泌量を保ちましょう。50mlはとても無理な方は、搾乳で滲むだけでも保ちませんか。抱っこと簡単に言いますが、3カ月の赤ちゃんは5㎏以位、素直に抱っこしてくれますか?

そんなに待つよりも1カ月健診くらいで、是非、お近くの助参院で苦しみを吐き出してくださいね。きっと力になってくれますよ。

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少し春ある

大寒に入った途端3月中旬の温かさ、昨冬からのインフルエンザが猛威を振るっていて子育て世代には厳しい毎日が続く。皆様、大丈夫ですよ。           大切な赤ちゃんにとって一番怖いのは脱水症ですから、母乳やミルクをしっかリ飲んで、透明な尿が6回/日 だったら申し分なし。パートナーとはお互いの心身を気になされば、インフルエンザはカンニンかんにんと退散します。                                     我が家は、気持ちを落ち着けるために北山の植物園に出かけました。北山側から入るとすぐに芋虫レストランが目につきます。

Photo_20250123045901まあ優しいこと!Photo_202501230638013_20250123063801             蝶になる前の芋虫様が食される植物を育てておられるのね。 それでは植物園の名物、樹齢100年の楠並木を歩きましょう。ほとんど人に出会わず、空気清浄の別世界、何かホッとするねと横道にそれて、足元を見ればスノードロップが咲き乱れている。蝋梅がつつましく咲き、白と紅の山茶花も美しい。山茶花と椿のちがい?山茶花は花びらがハラハラ散り、椿は一輪ポトッと落ちます。梅はまだですが、春の予感がします。

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清少納言の枕草子は『春はあけぼの(いとをかし) やうやう白くなり行く山ぎは……』で始まる。明るく弾けるような語り口、生きてるって素晴らしい、恋もすれば褒賞にも預かる?この枕草子の第102段に「少し春ある心地こそすれ」今回のタイトルの由来が出てきます。

二月の空は暗く風も強い日に、宰相 藤原公任さまの使いが(清少納言=青女)のもとに来て懐紙に「少し春ある心地こそすれ」とある下の句を見せ「さぁさぁ青女様、急ぎこの句の上をお付けください」公任のこの句は、白楽天

三時、雲冷ややかにして 多く雪を飛ばす

二月、山寒うして少しく春あり  の詩句からきている。まあ どういたしましょう(一応困った姿勢を見せます、頼りの中宮定子さまは一条天皇様とご一緒だし……)  寒さにぶるぶる震えながらつけた貞女様の上の句は、「空寒み 花にまがえて散る雪に」 あっぱれ見事です。

この雪の花は梅、平安時代の大宮人はさすがに教養高くて、どなたも自身の頭の中にすぐ引きだせるパソコンを装置しておられます。第102段の出来事がいつ頃だったか不明ですが、もしかして長保元年(999年)??。この年は、六月に内裏が炎上し、8月には実家が没落した中宮は,2番目の御子ご出産のため 大進 平 生昌(たいらのなりまさ=中宮職3等官)邸へ行啓された。24歳で身罷られた定子皇后には、辛いとか苦しいとか他者を恨んだりのお言葉は全くない。にこやかにゆったりと構えて見事に生き抜いた。  清少納言の意地が永遠の定子皇后を記録したのでしょう。

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二曲一双の屏風絵は、1947年に小倉遊亀画伯が発表された磨針(摺針)峠。    磨針峠は、滋賀県彦根市の中山道にあります。右に厳しい修行に耐えられず、苦悩して逃げ帰ろうとしている若い僧、左は石で斧を研ぐ老女。両者の視線が中央ではっしとぶつかって火花を散らす。僧は老女に「何をなさっておいででしょう」老女(実は観音様の化身)『たった1本きりの大切な針を折ってしまったので斧を磨いて針を作っております』。若い僧は己の未熟さにはっと気が付き、修行に励み、のちに弘法大師様になられたとか…この若い僧侶って空海さまでしたか。小倉画伯は第二次世界大戦2年後に、この絵を出しています。敗戦でそれまでの価値観も何もかも変わってしまった‥でも画伯は己の生き方を日本画で貫く、筋の通った生き方を致しますと。  私はこの絵に1996年に出会い、以後滋賀県の近代美術館に時々行って励まされておりました。若いうちは己を磨け甘やかすなですね。エッ、中高年齢層??心身若いとご自分を評価されるなら鍛えましょう。

もうすClipped_image_20250120_192654 ぐ節分、私は椎茸を戻して煮たり、干ぴょう3パックを戻して塩もみ、ゆっくり茹でて長さをそろえ煮ております。これはトレーニング用、植物園から戻ってワイワイ、巻きます。もう少し色が欲しいので本番をお楽しみに。

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新.水滸伝

 9月になれば…暑さは続くが楽しいことが待っていた! 南座で公演中のスーパー歌舞伎「新.水滸伝」(9月3日―24日)を観て久々に血沸き肉躍る思い、大音響もなんのその、それイケー梁山泊の悪党たち108人。水滸伝は12世紀の初めの北宋を舞台にした中国四大奇書のうちの一つで
水のほとりの物語の意、梁山泊の泊は湖水にぐるりと囲まれた山をさすんですって。 悪党108人は、魔界から人間に転生して大暴れ、最後は一人ずつ消えてゆくことになっています、が今回はめでたしめでたしで幕となってほっとします。

Photo_20230918190201   Photo_20230920135801   Photo_20230921050301 しかもこの公演中に身罷られた澤瀉屋猿翁=3代目猿之助が、 2008年に新水滸伝をスーパー歌舞伎に仕上げ、今回もスーパーバイザーとあって、子の市川中車、孫の団子の熱演に満員の観客からの拍手、声援は暖かい。  
乱れに乱れた世、収賄汚職にまみれた役人達に代わって、正しい道を行け!とヒーローの中村隼人演じる軍の教官林沖が教え子の若者たちに示した言葉が「替天行道たいてんぎょうどう

Photo_20230920224701  Photo_20230920223901 不正役人対梁山泊の悪党たち,悪対悪党の駆け引きも絶妙、立ち回りも魅せます王英と青華の不器用な恋、女性陣も強くて美しい。

Photo_20230920220302Photo_20230920135803大小はあるがどこもお財布が軽い資金不足、梁山泊の悪党さんたちが朝廷の隠し金を奪いに行き、危険危険 罠が仕掛けてあるよ、林冲さん馬でいったんジャー間に合わない、飛竜で行きましょうがこの場面。見せ場です 隼人さん飛竜に乗り手まで振ってくれますが,心中はヒヤヒヤか…娯楽性十分、新歌舞伎は観客をひきつけ拍手喝さいです。しかも出演者の皆様,お衣装が中国風なのに林冲様のみ歌舞伎のヒーロー風。

Photo_20230918180502 20230916_184951 Photo_20230921054402  Photo_20230921081801
 私の着物はこげ茶の単衣 望月間道、案に相違して涼しい。帯は所沢の大平先生から頂戴した爪織つづれ、ひそかに源氏物語と名付けた気に入りの一本です。紅白のサルスベリは波乱の生涯を閉じた猿翁の冥福を祈って…

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 





 

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