助産師たちの夜が明ける
お彼岸が過ぎても 日本中暑いアツイの毎日、特に京の街中は耐え難い蒸し暑さ。その暑さも熱気で飛んでしまうお仕事映画『助産師たちの夜が明ける』を 烏丸御池の新風館地下1階 UPLINK京都で観てきました。
日本とフランスの助産師の大きな違いは、職業のカテゴリーの違い。この映画でのフランスの助産師教育は5年(現在は6年)、男性助産師もいて、臨床では会陰切開は勿論、処方権を持つ医師の立場です。片や日本は、看護師免許を持ち1年~2年の助産師教育を受けて国試に合格すれば臨床という看護師の立場です。ここが大きな違いですが、日本の助産師も 勿論、正常出産は一任されます。助産師たちの夜が明けるは、責任の重い過酷労働、低賃金の世界に、胸躍らせて初出勤する新人助産師ルイーズとソフイアから始まります。
ある日、ソフィアが担当した産婦が心拍数モニタの故障から、胎児が危険にさらされ緊急帝切、新生児はなかなか呼吸が戻らず……その後のソフィアは、正常経過中の産婦にも『異常だ!見てほしい」と他の助産師たちに訴え、元気に生まれた新生児にも、皮膚色が紫とか呼吸が変とか処置するようになり、ついに出勤停止になってしまった。
一緒に映画を観た助産師たちは、「それにしてもすごい出産数ね。少子化の今では考えられない。羨ましい? 私の新人教育は30年前だけど、やっぱりソフィアみたいな人いましたよ。先輩助産師が3か月間教育係なんだけど、教育係がいない間にどんどん出産が進んで、頚管裂傷になってしまった!その後は、お産が怖くなり教育係だけでなく当直医にも『大出血です、子宮破裂です‼』と毎回騒ぐから、分娩室担当から外されてね…」、身につまされてほろり。それにしても分娩シーンの助産師たちのリードの巧みさ 誉め言葉を各所にちりばめ優しくてユーモアたっぷり、プロの仕事ですね。いやー勉強になりました。一般の方らしい3人組は、映画が終わるなり「眠たくて眠たくて」と仰せでした。エッ、助産師ソフィア、仲間たちに囲まれてトラウマを乗り越え、実力発揮します。京都の助産師も経年劣化を乗り越えて、さあ頑張りますよ。
某ホテルの内覧会でボヘミアングラスに魅せられ、しばし見学。この日のいでたちは、茶人望月宗竹様(1692-1749)ゆかりの単衣 望月間道(もちづきかんとう)、帯は銀地松葉、私の好きな装いです。
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