人間青山(ジンカンセイザン)
暑中お見舞い申し上げます。 先日まで鳴りを潜めていたセミ達が「お熱いのが大好き、待ってました」とばかりに早朝から桜や木蓮の樹で大合唱‼ セミの生命力も凄いが新型コロナウイルスも凄い。オミクロン株が変異してBA.5に置き換わり、感染者数は20 万人/日となり第7波到来、人類との熱い戦いはまだまだ続きそうです。
そんな中で、7月17日3年ぶりの祇園祭 動く美術館 山鉾巡行(前祭)が無事行われた。京都市民の私たちは稚児のしぐさの一つ一つ、くじ改めの少年の凛々しさに歓声を上げて見守った。コンチキチンの祇園囃子も嬉しいが、13日の宵々々々山からのスゴイ人出はニュースで見るだけに。
山も鉾も釘1本使わず、独特の縄で組み立てる伝統作事、作事方も鉾引きボランティアの方々も練習を積んで備え、この日があったのですね。
気のせいか、先頭を行く長刀鉾の音頭取り2人が若くなった感じ。辻回しだけはベテラン4人組が乗り込んでの音頭取り、長時間の辛気臭い間を見せ場に変えて、車方、囃子方とも息の合った辻回しはお見事!
盛唐の大詩人李白様(701⁻762)の客中行の紹介に、敬愛する中野孝次氏は「人間到る処青山あり」としていて長い間不思議だった。 そうですか漂泊の詩人李白様のお墓は、中国安徽省当塗県青山にあったか。私の学生時代はもう半世紀前になるが、大学は熊野神社近くにあり東大路通りに面して何軒もの「青山」という喫茶店があった。単純にコーヒーのブルーマウンテンだと思っていたが、もしかして青春の墓場の意味?
蘭陵美酒鬱金香 蘭陵(らんりょう)の美)酒(びしゅ) 鬱金香(うつこんこう)
玉椀盛來琥珀光 玉椀(ぎょくわん)盛来(もりきた)る 琥珀光(こはくのひかり)
但使主人能醉客 但(た)だ主人をして能(よ)く客を酔わしめば
不知何處是他鄉 知らず何(いず)れの処是(いずれの所かこれ)他郷(たきょう)なるを
さーすが李白様、故郷に錦を飾るなんて考えこれぽっちもない…蘭陵の酒は良い香り、玉椀になみなみと注がれて琥珀の光を放つ。主人がうまく私を酔わせてくれればそこが故郷さ。
タイトルの人間青山の初出は獄中の政治家蘇軾(1037⁻1101)が、1079年に死を覚悟して実弟に送った2編のうちのその一にある。是る処の青山骨を理む可し(いたるところのせいざん 骨をうずむべし)。多彩な蘇軾は、文人書家.あの蘇東坡肉の料理家としても名高い。故郷でなくてもどこでも死に場所はあるさ、弟よ、来世があるなら君とは又、兄弟でありたいね。この蘇軾の人間青山を取り込んで、幕末の尊王攘夷派の僧侶 釈 月性(1817⁻ 1858)は、男子志を立てて故郷を出れば、学成り出世しなければ死んでも帰ってはならん。どこにでも骨をうずめなさい!と勇ましい。ベランダきゅうりとハモカワの酢の物は夏の定番、サラダ感覚で美味しく戴いている。蘭陵の美酒はシャンパンでいかが?下戸には、能勢ミネラルもいけますよ。
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