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親性脳 (おやせいのう)

親性?母性.父性.親性とくれば何となくご理解いただけるだろうか?      つい1ヶ月ほど前の6月19日(土)ワコール乳房文化研究会主催の「コロナ時代が変える出産.授乳.育児」zoom セミナーに参加した。講師のお一人明和政子教授は、演題「科学の視点からヒトの育ちに必要な条件を考える」で、今回も共同養育には、父親参加が不可欠と近年の「親性脳」研究成果を述べられた。   簡単に言えば、親性脳とは育児場面でよく使われる脳内ネットワークのこと。 育児について特徴的に活動する脳の働きを、「親性脳」と呼ぶことを明和教授グループは提唱している。

  Photo_20210715074701  20210627_111136何とヒトの大脳皮質が成熟するのは25歳ごろですって!!明和先生の共同養育論を初めて拝聴したのは、2016年の助産学会、京大時計台記念館で「周産期からの発達支援を目指して」と地味な題とは裏腹にアフリカ.バカ族の共同養育、赤ちゃんヘルメット(失礼)装着で、乳児の聴覚視覚を科学したオキシトシンは凄いを鮮やかに解き明かされた。                                        今回の研究手法は、①妊娠20週未満のパートナーがいる父親群と、子を持つ予定なしの統制男性群各36名が被験者。fMRI 内で育児に関する動画と関係ない動画2種ずつを提示して強く活動した脳領域を調べる。  ②参加者の唾液を採取してテストステロンとオキシトシン濃度を測定   ③育児に関する心理.行動特性インタビューした。  結果は、父親群統制群ともおむつ交換や乳児との遊びの動画に親性脳領域が強く反応したこと、もう一つは、島(とう)と呼ばれる脳領域に差異が出て、父親群はパートナーの妊娠初期から親性能が発達し始めていた。個人差がかなりあることは否めない。  Photo_20210716155401将来の美少女Aちゃんは第3子、生後まだ45日、母乳ですくすく育つ大物です。Aちゃんに見つめられ遊んでほしい!抱っこ大好き!と訴えられたらNO!は言えそうにない。父性も母性も親性も超えた人間性に訴え、ヒトの未来を明るくするこの表情。当院外来で母乳育児中の新米.ベテランママ達には必ず協力的なパートナーや地縁血縁、赤の他人応援団が存在する。母乳をあげられるのはママだけの、期間限定の特権だから、パートナーはじめ応援団は、メンタルヘルスケア、家事、上の子の送り迎え、経済面などで協力を惜しまない。 思い起こせば、恩師桶谷そとみ先生の泉南の外来を、文化人類学者ダナ.ラファエル氏(1926⁻2016)が表敬訪問されたのは33年ほど前のこと。ラファエル氏は、学者としてアジア圏やアフリカの子育てを調査研究し、自らの苦い子育て経験から、ドウーラ(ギリシア語で奴隷の意)の必要性とマザーリング.ザ.マザーを唱えた。著書「母乳哺育」や「母親の英知」は私も持っている。若い私たちは、ラファエル氏に容赦なく質問を浴びせ、「ドウーラは、奴隷の意味だが性を問わず、母親を優しくマザーリングするヒトたち、マザーリング期間?一人ずつ違うわ、長い人もほんの短期間の人も…」まさに温顔慈母の表情で答えられた。

Photo_20210717121701 Photo_20210717145401 京の7月は祇園祭一色、疫病も梅雨も新型コロナも全部吹き飛ばして、生きぬく力を出そう❣というわけで、今年は四条通周辺4基の鉾が立ちます。7月11日、鉾立の伝統技術継承をとクレーンも使って長刀の土台ができてゆく。15日、市バスと競争するようにそそり立つ長刀鉾。籤とらず巡行一番の長刀鉾などお稚児さん(小学生男子)の食事作りまで男性が担当、八坂神社への社参もお馬さんからお供まで全部男性、女性は鉾にも上れなかった…まぁまぁ京の女性は寛容ですから波風立てず、1000年以上も祇園祭は続いている。女性ばかりに育児を担わせず、男性参加はありがたいが頑張りすぎて男はつらいよ、にならないようほどほどに。                                            

1_20210715153301    15函谷鉾も11日土台作り、15日にはこの威容、函谷鉾の由来は,中国の春秋戦国時代 孟嘗君が間夜中に秦から逃れる際、鶏鳴しないと函谷関は開かない…追手は迫る!何のとりえもないと思われていた食客の一人が鶏の鳴き声を発し、それにつられて本物の鶏鳴が始まり函谷関が開いた 危機一髪逃れた鶏鳴狗盗の故事による。新型コロナは第5波に入ったとか…オリンピックはお家で見ようね、もうすぐ梅雨明け、蒸し暑い京の夏は免疫抵抗を強くして一緒に乗り切りましょう。

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