« 2011年4月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年6月

はつなつの風

   

    川上澄生  「初夏の風」

 かぜとなりたや はつなつのかぜとなりたや /

 かのひとのまへにはだかり / かのひとのうしろよりふく / 

 はつなつのはつなつの /  かぜとなりたや

                      

ご近所にホタルブクロの鉢植えがみられる季節となった。左のレトロな版画は、川上澄生(18951972)の代表作「初夏の風」、添えられた かぜとなりたや の詩は、しばし梅雨の鬱陶しさも忘れてしまう爽やかさです。 憧れのひとを見つめるだけで口も聞けないシャイな恋。 せめて あの人を吹き抜ける風になりたい!とは、明治時代に青春を過ごしたひとの初々しいこと。 かの棟方 志功を触発して 油絵から板画に転向させたとされるのがこの絵、ローマ字版もありますね。

Photo

六月の札幌へ会議で出かけ、ちょっと足を延ばして小樽と洞爺湖を楽しんだ。これは小樽の昆布屋さんで発見しました!右のぼやけた白い看板に「お父さん預かります」、うーん、父の日も近いのにお父さんは捨てられたか…と早合点なさらないでね。昆布屋のご主人曰く、「とかく女性の買い物は時間がかかる。無聊をかこつご主人にお茶など飲んでもらって、囲碁や将棋で時間をつぶしていただく」のだそうです。

Photo_4

洞爺湖はウイークディでもあり、閑散としていて、湖上巡りの汽船は貸し切り状態。「今年はいつまでも夏にならないで寒いし、観光客が減って懐も寒い」とこぼしながら洞爺湖汽船のガイドさんたちもタクシーの運転手さんたちも「もうすぐいつもの洞爺になる」と表情は明るい。青森の修学旅行の小学生たちと同じ宿、温泉も素晴らしく豊か、初めて経験するバイキングの夕食も結構結構。湖畔の宿に「カッコウ、カッコウ」の鳴き声がこだまするのももうすぐですよ。北海道から帰って、やっと 関川 夏央の大作「子規 最後の八年 」を読了。  卯の花の 散るまで鳴くか 子規(ホトトギス)  明治21年 21歳の子規はこう詠んで子規と署名します。この年 結核で喀血した子規は、「鳴いて血を吐くホトトギス」、鳴くと口の中が真っ赤に見えるホトトギスに自分を重ねたのです。ホトトギスの漢字表現は多様で ① 郭公 ② 子規 ③ 時鳥 ④ 杜鵑 ⑤ 不如帰 ⑥ 杜宇 ⑦ 蜀魂 ⑧ 田鵑など等  えっ、これみな 同じホトトギスさんですか、と音をあげたくなります。特に平安時代は①の郭公が多く使われ、カッコウとホトトギスは同じ鳥?としばしば誤解されます。ザーンネンですが、鳴き声が全然違っていて、カッコウは明るく伸びやかに、「カッコウ カッコウ」 ホトトギスは、短く悲痛に「ケキョ 」。共通項は、どちらも同じカッコウ目カッコウ科でありウグイスなど他の鳥の巣に《托卵》すること。元祖 育児放棄?でしょうか  

 

 

    

     

       

       

   

| | コメント (0)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年8月 »